「サーフィン、そして海の魅力を広めたい」プロサーファー 大澤 伸幸 × KOKUA

「サーフィン、そして海の魅力を広めたい」プロサーファー 大澤 伸幸 × KOKUA

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サーファーとひと口にいっても、海へのかかわり方はそれぞれだ。そこには、その人間の人生に対する価値観やライフスタイルが色濃く反映されている。「ノブ」の愛称で知られる大澤 伸幸のサーフィンにかける思いと生き方に触れると、改めて深くうなずいてしまう。

湘南・茅ヶ崎の海の側で育ったノブが、サー フィンを始めたのはごく自然の流れだった。記憶にない幼少のころから波と親しみ、小学校に通うころには地元を始め全国各地を転戦するまでになった。中学校に進学してからは、世界で活躍するプロサーファーになることを目指すように。アルバイトして資金を貯めて、2年半後にはサーフィンの本場オーストラリアへ単身で旅立った。ジュニアの世界ツアーに参戦しなが ら才能を発揮、国内のコンテストでも活躍するように。2010 年には国内ツアーのグランドチャンピオンとして日本一に輝いた。 プロサーファーとして順当にキャリアを重ねてきたノブだったが、3年前からコンペティションの一線から退いた。

「現在は AWING SURFBOARDS』というブランドを立ち上げて、自分がシェイパー(サーフボード職人)として、サーフボードカスタムメイドしています。また、世界を旅してフリーサーフィンの映像を残して、競技ではないところの自己、自由というのを広く 伝える活動をしています」 今、ノブのサーフィンライフは、コンペティションという人と人が競うサーフィンの世界から新たステージに差しかかっている。その理由はいたってシンプルだ。「サーフィンという横乗りのカルチャー、サーフィンの魅力と楽しさを広く伝えたい」からだ。「やはり波に乗っている瞬間は不思議な感覚なんですよね。自然が起こす力を、自分たちがボードの上に乗ってライディングすること自体、普通に生きていたら経験できない。波も生きていて呼吸しているように、こちらも合わせて波に乗る。一番自然と近いところで共存しているような肌感覚...... 自分もまだまだたどり着いていないですが」 人生の多くの時間をサーフィンに捧げてきたノブだからこその、境地といっていいだろう。

 さて、そのノブのサーフィンライフの厚みを、さらに増すできごとがあった。SUPとの出合いだ。「ケニーが、『KOKUA』を 立ち上げてレースから離れてSUPを楽しんでいる姿に、すごく魅力を感じたというか。『あっ、そういう海との触れ合い方もあ るんだな』と。サーファーとして発見がありました」 実はノブとケニーは幼いころからの顔見知りで、競技は異なるがお互いの活躍を見守り刺激を受けてきたのだ。3年前から 『KOKUA』の「FLOAT」に乗るようになったが、初めて経験した SUPの世界に驚いたという。「海の中の景色が全然違う。陸から離れてより遠いところから見た景観が壮大なというか ......。ただただ一生懸命にこぐというよりかは、海の上に SUPで立って、その時間を楽しむのはすごくぜいたくに感じました」 サーフィンが盛んな湘南ではあるが、波乗りが楽しめるのは「年間80日ほど」だという。今は波に恵まれていない日に、天候や風などのコンディションに合わせて、SUPをビーチに持ち出している。また週末は子どもたちとともに楽しんでいる。

SUPだと海の上で一緒にいられる時間が長いじゃないですか。だから、海で過ごし方が変わってきましたね。やはりサーフィンは一緒には長く乗れないじゃないですか。子どもたちも SUPの上でいると安心するのか、泳げなかった子がいきなり海に飛び込んだり、それは危ないんですけど()。それぐらい海を好きになっているということですね」 そのような子どもたちを目にしていて、一般の人にサーフィンを教えるというライフワークの一つにもプラスになった。

「サーフィンを始める初心者には。『波に乗ることだけが波乗りじゃない』と伝えているんですよ。サーフボードの上で波待ちをして、そのボードの上で過ごす時間も大切に過ごしてもらいたい。海と肌が触れ合って一緒になることって、普段とは全然違 う感覚じゃないですか。ボードの上でただ座っているだけでいいから、そういうことも感じてもらえたらすごくうれしいなと思って。SUPはそれをさらに感じさせてくれる。だから、むしろ波乗りを始める前にSUPで、海のこの気持ち良さを感じてほしいと。波に乗ることだけがメインじゃなくて、海を知ってもらうきっかけとしては、すごくいい」 SUPがノブに大きな影響を与えたことは確かだろう。 「競技を終えてから、海で自由に過ごす時間を求め続けてきました。SUPのおかげでその自由な時間の幅が広がりました。 自分としてはサーフィンは究極の海遊びの一つだと思うんですよ。でも、SUPもやはり自分の中で、また一つ海の魅力を教えてくれる存在になりましたね」 ノブのサーフィンライフは、これからも続いていく。


NOBU 愛用モデル


 

 

 

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