ISA 世界選手権選考会 

ISA 世界選手権選考会 

目次

6/11(土),12(日)、静岡県・南伊豆にて「SUP&Paddleboard選手権大会(ディスタンス・テクニカル・スプリント)」が開催された。

本大会は国際サーフィン連盟(ISA)が11月に主催するISA World SUP and Paddleboard Championshipおよびアジアオリンピック評議会(OCA)が12月に主催するアジアユースゲームズの選考協議会となる。

美しく、力強い南伊豆の海。国内レースではなかなか開催しないコンディションの中、レベルの高いレースが繰り広げられた。

Team KOKUAからは島津 成彰(Nariakira Shimazu)、杉山 友厚 (Tomoatsu Sugiyama)、金子 ケニー (Kenny Kaneko)、馬場なつみ (Natsumi Baba) が出場。

 

【6/11(土):Distance 20km 弓ヶ浜】

初日ディスタンスは、弓ヶ浜が舞台。

弓ヶ浜から沖合約10kmに位置するトヨ根を2周する、20kmのコース。湾外に出るとそこはもう太平洋。湾内とは比べ物にならない潮の流れ、複雑なうねりが選手を翻弄した。

風は強すぎないオンショア、気温もさほど上がらず、長距離を漕ぐ選手たちには曇り空が味方した。

トヨ根の周りは潮がぶつかり、うねりはさらに大きく複雑に。周回中に足元を取られた選手も多い。

浜とトヨ根を周回するというシンプルなコースだったが、20kmという距離、加えて外洋の速い潮の流れや風を読みながらのコース取りが勝敗を分けたレースとなった。

オープンクラスが終了後、ファン・ジュニアクラスが同時にスタート。弓ヶ浜湾内を周回する6kmのコース。

以下、リザルト

 

Distance Result

M’s Open Class 

3rd place 金子ケニー (Kenny Kaneko)

4th place 島津成彰 (Nariakira Shimazu)

7th place 杉山友厚 (Tomoatsu Sugiyama)

 

W’s Open Class 

2nd place 馬場なつみ (Natsumi Baba) ※世界選手権選考枠通過

【6/12(日):Technical 6km 白浜/Sprint 200m:外浦】

2日目午前中はTechnical、午後はSprintの2種目が場所を変えて開催された。

Technicalはサーフコンディションの白浜。前日夜から吹き続けた強いオンショアでかなりジャンクなコンディション。セットは頭ほどにもなり、世界で戦うための壁として選手達の前に立ちはだかった。

サバイバルコンディションを漕いだ経験がなく怯む選手も多かったが、DNFとなってしまった選手はいたものの、全ての選手が棄権することなくこの海面にチャレンジした。

陽が高くなるにつれ、波のサイズがやや下がった頃、Men’s Open classがスタート。コースはアップダウンのM字に設定され、インサイドの割れるポイントでのマーク設置、ビーチランを挟んだ。コンディションを鑑みて距離は半分の約3kmに短縮。

ゲティングアウトで分厚いスープに振り落とされていく選手が多い中、トップ選手は華麗に波を超え、スタートですでに大差がついた。経験値の差がはっきり見て取れた結果となった。

ジュニアクラスも同様のコンディションでスタート。自分の背丈を遥かに超える波にも臆さず立ち向かい、乗りこなす将来が楽しみな選手も。

以下、リザルト

 

Technical Result

M’s Open Class

3rd place 金子ケニー(Kenny Kaneko)

5th place 杉山友厚 (Tomoatsu Sugiyama)

6th place 島津成彰(Nariakira Shimazu)

 

W’s Open Class 

2nd place 馬場なつみ(Natsumi Baba) ※世界選手権選考枠通過

 

KOKUA Rider島津成彰はMens Open、Junior両クラスに出場し、Junior classにて優勝。見事代表選考枠を獲得した。

 

Junior Class

1st place 島津成彰(Nariakira Shimazu) ※世界選手権選考枠通過

 

最後の種目、Sprintは白浜から2kmほど離れた外浦海岸へ移動。白浜とは打って変わって穏やかな、エメラルドグリーンのフラットコンディション。

ビーチから100m沖に打たれたマークを折り返す200mのコース。

Mens Classは2ヒート行い、上位3名がラウンドアップ。Women Classは出場者が3名のため一発勝負となった。

Mens Classではターンやマークに対するアプローチ、うねりを掴めたかどうかなど、一瞬の判断の差で順位が入れ替わり、白熱したレースを見せてくれた。

 

Sprint Result

M’s Open Class

2nd place島津成彰(Nariakira Shimazu)

4th place 杉山友厚 (Tomoatsu Sugiyama)

 

W’s Open Class 

2nd place 馬場なつみ(Natsumi Baba)

 

本大会で、Team KOKUAは島津成彰、馬場なつみが世界選手権への切符を手に入れた。島津成彰は今回Junior枠での出場となるが、若干15歳ながら国内レースではシニアレーサーと互角以上に戦い、頭角を著してきている。現在、国内のトップレーサーのうち10代が華々しい活躍を見せているが、彼の伸び代に期待大である。

女性SUPレーサーは残念ながら今現在層が薄く、今回の選考会も3名のみのエントリーであったが、今後、人口が増える一つのきっかけとなれるよう、筆者馬場も精進していきたい。

以下、KOKUA Riderたちのレポート

 

【島津 成彰】(Nariakira Shimazu)

ーDistance

潮の流れが早く途中からウネリが出始め、トップ選手でも落水するコンディションの中のレース。普段内海でしか漕いだことがないので、黒潮とウネリがある中でバランスが取りにくく漕ぎにくいコンディションだったが、板の安定感とグライド感を信じ、4位という結果に。

ーTechnical

セットが頭を超えてくるかなりハードなコンディション。テクニカルでは安定した22.5inchを使用し、サイズのある波の中を漕いだ経験のない人でも漕いでレース出来ることが可能だと感じた。

実際レースをしていて、落ちるかもという心配がなく、安心感があり、結果はOpen Class 6位、Jr Class 1位。

ーSprint

初速の速さが失速しにくいという特徴を活かしてスタートから飛ばしていき、最後までスピードが落ちることがなく、板のスピード感を改めて感じることのできたレースとなり結果2位。

様々なコンディションの中のレースだったが、FLY PROがどのコンディションでも速いと言うことを確信できた。

 

【杉山 友厚】(Tomoatsu Sugiyama)

ーDistance

当日早朝にケニーさんと成彰と共に散歩がてら海を確認。

一見、風や波はなくほとんど穏やかにみえる海面だが、激しい潮流で海中の岩とぶつかりできる白波がみえた。潮流を読み島をどれだけロスなく回航するかがポイントであると確認した。

当初は風もそれほど吹いておらず、長距離のレースになるため、平水面で安定してスピードの出るフラットボードを選択。

レーススタートから先頭〜4-5番手でドラフティングの列ができ3キロ地点を迎える。島へ到達する直前、急激に浅くなる島に潮がぶつかり湧き上がる水で板がすくわれ数度、落水。先頭とはかなり遅れをとり順位を落とした。2週目からは北東からの風が強まり潮と風の影響を受ける海面でのコース取りと板のコントロールに苦戦した。当日にベストな状態で挑めない様々な理由はあったが、結果は7位と実力を発揮しきれないレースとなった。

ーTechnical

初日の夕方からオンショアが強くなり波高が上がる予報となる。当日までレースの開催場所については協議された結果波と風が入るビーチでの開催が決まった。会場到着時は胸肩くらいのセットに風が入りジャンクなコンディション。スタート直前にはサイズも風も少し落ちつきがあったが、サーフレースなどでの経験と技術が差をつけるレースとなった。自分自身、サーフレースの経験はほとんどないが、波は比較的得意である程度の結果を出せる自信はあった。オールウォーターボードでレースに挑み5位という結果に終わる。上位の選手とはアップレグでできた差がダウンで広がった印象があり、今後はこの経験を参考にレースに挑みたい。

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